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女の涙

2005/05/26(木)

あちきは仕事中は泣かない。少なくとも泣くまいと決めている。それは、ギャラをもらって踊って(教えて)いる以上は「男も女もない」からで、涙という女子供の特権(免罪符?)を使うのは卑怯だと思っているからだ。だから仕事中での相手の涙も信用しない。

けれど、ひとたび仕事が終わればそれは一変する。

今日、とある俳優養成所のダンスレッスン終了後に「ありがとうございました」と挨拶しに来てくれた生徒がいた。今日日、挨拶もろくにできない若者が多い中、相手(この場合はあちきのこと)の目の前まで来てきちんと挨拶ができるというだけで既に感心してしまうのだが、さらに彼女は目に涙を浮かべていた。聞けば、今後のレッスン内容にダンスは組み込まれないかも知れないから、というものだった。

彼女の涙の真意が「ダンスがなくなる」ことなのか「あちきに教わる機会がなくなる」ことなのかは確認できなかったけれども(だって確認したら、絶対にもらい泣きしてしまうから。あちきは元来泣き虫なのだ。)、でもきっと、ダンスを好きになってくれてたってことだよね。

こーゆー涙には弱いんですよ。ホントに。

思わずもらっちゃいそうになってしまったので、現場では泣くまいと、わざと冷たく返してしまったかもしれないけど、本当はすごく嬉しかった。

この場を借りて言うのもなんだけど、今まで受けてくれてありがとう。もし本当にレッスンがなくなってしまうのだったら残念だけど、その時はきっと現場で会いましょう。

…って、日頃生徒には「素直になれ」と言ってるあちきが一番素直じゃねーな。(苦笑)