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自身の想いを伝えるということ

2005/05/30(月)

昨日、高山広のおキモチ大図鑑「てづかみ」を観てきました。

いつも思うけど、彼の芝居は他のそれとはちょっと違う。他の芝居では大概、アンケートに感想を書いていくのですが、彼の芝居には感想が書けないのである。彼の芝居を観ると、いつも確実に心が動く。だから観終わるといつも顔中ぐしゃぐしゃに泣いてしまう。でも書けない。

「巧い」とか「素晴らしい」とか、そんな月並みな褒め言葉ではこの感動は表現できないのである。だって巧いんだもん。「何々が巧かった」「どこどこが良かった」ではないのだ。そんなところで彼は芝居をしていない。

彼はいつも板の上で「何かを感じること」「何かを考えること」…を教えてくれる。うまく言えないけど、心の中のもっとこう…根底の何かを揺さぶられるような、突き動かされるような、そんな感じ。彼は、自身の想いを伝えるために常にアンテナ張って、いろんなことを感じて、考えて、たくさんのさまざまな経験を積んできたに違いない。

でも彼の芝居は決して「これはこうなんだ」って押し付けたりはしない。観る者の知識や想像力に委ねるのだ。だから素直に心の中に入ってくる。そして考えさせられる。人生について。

ここしばらくはスケジュールが合わなくて氏の芝居を観に行かれなかったのですが、今回やっと観ることができて、本当に良かった。

ジャンルは違うけど、同じ表現者として頑張っていこうと思った。