膝を曲げずに床に落ちたものを拾える?

一時期お芝居の勉強もしていたので、ここでは「ダンスと芝居の違い」について書いてみたいと思います。

例えば日常で、床に落ちたものを拾おうとする時、どんな格好になりますか?普通は膝を曲げ、軽くかがんだ体勢になると思います。しかし、ダンサーは膝を曲げずに床に手が届きます。きっと見た目も動作もスマートで美しいです。

ですが、お芝居をする場合、これが邪魔になります。

以前、お芝居の稽古の中で「道を歩くシーン」というのがあり、自分では普通に歩いてるつもりだったのですが、先生から「なんか…ダンサーみたい」と注意されてしまったことがあります。

どういうことかというと、ダンス経験者たちは一般的に身体はやわらかいし姿勢も良いため、意識しないとダンサーとしてのしぐさが現れてしまいがちです。つまり、(芝居に慣れないうちは)どんな役を演じても「ダンサー」に見えてしまうのです。ダンサーの動作は美しい反面、日常で同じことをすると、途端にそれは「不自然な動き」になります。

いかに架空の人物を実在しているかのように見せるか…「お芝居」とは、カッコよく見せたり非現実的なことをするのではなく、あくまでも「日常に存在する」人を演じることなのです。

確かに普段の生活で、つま先立ちで歩いたり、くるくる回ったり、カッコよくポーズを決めたりしないですよね。芝居の出来る(うまい)人は「自分は踊れる」ということを決して表には出しません。

もちろん、ダンスを踊る時にもある程度「演じる」ことは必要です。ですが、「ダンス」と「お芝居」って、手法はまるっきり違うようです。

…ちなみにあちきは日常でも、膝を伸ばしたまま物を拾います。^^;